- 討ち入り後の赤穂浪士
- 遺された辞世の句
- 大石内蔵助おおいしくらのすけ（家老、享年４５）
- 吉田忠左衛門よしだちゅうざえもん（物頭・郡代、享年６３）
- 堀部弥兵衛ほりべやひょうえ（元江戸留守居役、享年７７）
- 村松喜兵衛むらまつきひょうえ（扶持奉行、享年６２）
- 原惣右衛門はらそうえもん（物頭、享年５６）
- 小野寺十内おのでらじゅうない（京都留守居役、享年６１）
- 冨森助右衛門とみのもりすけえもん（馬廻・御使番、享年３４）
- 潮田又之丞うしおだまたのじょう（絵図奉行・郡奉行、享年３５）
- 早水藤左衛門はやみとうざえもん（馬廻、享年４０）
- 間喜兵衛はざまきひょうえ（勝手方吟味役、享年６９）
- 間十次郎はざまじゅうじろう（部屋住、享年２６）
- 木村岡右衛門きむらおかえもん（馬廻・絵図奉行、享年４６）
- 大高源吾おおたかげんご（腰物方・金奉行、享年３２）
- 神崎与五郎かんざきよごろう（徒目付・郡目付、享年３８）
- 茅野和助かやのわすけ（横目、享年３７）
- 横川勘平よこかわかんぺい（徒目付、享年３７）
討ち入り後の赤穂浪士
元禄１５年（１７０２）１２月１４日、赤穂浪士は吉良邸へ討ち入って主君の仇・吉良上野介義央の首級を挙げ、見事本懐を遂げた。
その後、幕府は彼らの行動を「主人の仇討ち」とは認めず、「徒党」であると判断。公儀を恐れない行為は重々不届きであるとして、切腹を命じた。
元禄１６年（１７０３）２月４日、赤穂浪士たちはそれぞれ預け先の大名家で次々と切腹を遂げた。実際には、小脇差を手に取ったときに首を落とされるというものであったという。
遺された辞世の句
赤穂浪士たちは切腹に際し、それぞれ辞世の句を詠んだと伝わる。下記、それぞれ列挙する。
大石内蔵助おおいしくらのすけ（家老、享年４５）
あら楽し 思いははるる 身は捨つる 浮世の月に かかる雲なし
※泉岳寺で詠んだ句と伝わる。
吉田忠左衛門よしだちゅうざえもん（物頭・郡代、享年６３）
君か為 思ひそつもる しら雪を ちらすは今朝の みね乃松風
※討ち入りに先立って詠んだ句。討ち入りの際、甲頭巾の裏に短冊を縫いつけていた。
堀部弥兵衛ほりべやひょうえ（元江戸留守居役、享年７７）
忠孝に 命をたつは 武士の道 やたけ心の 名を残してん
常にしも 言し言葉を たかへしと 今此時に おもい合せん
品もなく いき過たりと 思しに いまかちゑたり 老乃たのしみ
※『堀部金丸覚書』の残書の最末尾に掲載されていた狂歌。
村松喜兵衛むらまつきひょうえ（扶持奉行、享年６２）
命にも かへぬ一つを うしなはば 逃かくれても 爰をのかれん
※討ち入りに先立って詠んだ句。討ち入りの際、甲頭巾の裏に記していた。
原惣右衛門はらそうえもん（物頭、享年５６）
かねてより 君と母とに 知らせんと 人より急ぐ 死出の山路
小野寺十内おのでらじゅうない（京都留守居役、享年６１）
まよわしな 子とともに行く 後の世は 心のやみも はるの夜の月
※子は小野寺幸右衛門のこと
むさし野の 雪間も見へつ 古郷の いもか垣根乃 草ももゆらん
冨森助右衛門とみのもりすけえもん（馬廻・御使番、享年３４）
先たちし 人も有けり けふの日を 終の旅路の 思ひ出にして
潮田又之丞うしおだまたのじょう（絵図奉行・郡奉行、享年３５）
もののふの 道とはかりを 一すしに 思ひ立ぬる しての旅路に
早水藤左衛門はやみとうざえもん（馬廻、享年４０）
地水火風空乃うちより出し身の たとらて帰る 元の住かに
間喜兵衛はざまきひょうえ（勝手方吟味役、享年６９）
草枕 むすふかりねの 夢覚めて 常世にかへる 春のあけぼの
間十次郎はざまじゅうじろう（部屋住、享年２６）
終にその まつにそ露の 玉の緒の 今日絶てゆく 死出の山みち
木村岡右衛門きむらおかえもん（馬廻・絵図奉行、享年４６）
思ひきや 我が武士の 道ならて かかる御法の 縁に逢とは
※泉岳寺で僧・白明に所望されて詠んだ句
大高源吾おおたかげんご（腰物方・金奉行、享年３２）
梅を呑 茶屋もあるへし 死出乃山
神崎与五郎かんざきよごろう（徒目付・郡目付、享年３８）
人の世の 道しわかすは 遅くとて 消る雪にも ふみまがふべき
茅野和助かやのわすけ（横目、享年３７）
その魂や風にはなる 凧
天地の 外はあらじな 千種たに もとさく野べに かるとをもへは
横川勘平よこかわかんぺい（徒目付、享年３７）
待てしばし 死出に遅速は 有ぬとも 我先かけて 路しるべせん
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