恵比寿と同一視されるヒルコとはどんな神様?日本神話から由来をひもとく

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日本の神々
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神DATA

名称蛭子神ひるこのかみ蛭子命ひるこのみこと
神格福神
主なご利益商売繁盛・豊漁
主な神社西宮神社(兵庫県)・蛭子神社(神奈川県)など

海に流されたイザナキとイザナミの第一子

 日本神話によると、高天原の神々から国土を生成するよう命じられた男神イザナキと女神イザナミは天地の間にかかる天浮橋の上に立つとオノコロ島をつくり、そこに神聖な天の御柱を立てました。

 イザナキは左から、イザナミは右から柱を回ります。そして出会ったところで、まずイザナミが声を掛けました。

「あぁ、なんてすばらしい男性なのでしょう」

 それに応じて、イザナキもこう声を掛けます。

「あぁ、なんてすばらしい女性だろう」

 そうして交わった末に生まれた最初の御子神がヒルコです。

 しかしヒルコは生後まもなくして葦船に乗せられ、海に流されてしまいました。『日本書紀』によると、日神、月神についで生まれたヒルコは「すでに三歳になるまで、脚猶し立たず」であったために流されたとしています。

 その後、ヒルコは摂津国(現・兵庫県)の西宮へと流れ着きました。

 このとき、西宮の人々はヒルコを「夷三郎大明神」として崇め祀ったと伝わります。

 古くは、海のかなたからやってくる来訪神が人々に幸福をもたらすと考えられていました。実際、日本の沿岸部には海からの漂着物を「恵比寿」として信仰する習慣もあったそうです。そのためヒルコは七福神の一柱である恵比寿神と同一視されるようになり、信仰を集めました。

 室町時代になると、大坂湾沿岸が商業の一大中心地として発展を遂げたことから、それまで漁業の神として崇められていたヒルコは福の神へと変貌を遂げることになります。

 そして戦国時代から江戸時代にかけて傀儡子と呼ばれる人々が全国を巡りながら布教を行なったことで、恵比寿信仰は全国へと広まることになったのでした。

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