節分に豆をまく理由は?節分の由来や起源を解説!

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神事

2022年2月3日は節分。この日、「鬼は外、福は内」と言いながら豆をまくという方も多いことでしょう。それでは、いったいなぜ節分の日に豆をまくのでしょうか。また、豆をまいて追い払う鬼とはいったいどのような存在なのでしょうか。この記事では、節分の歴史について解説します。

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季節の変わり目に災厄を祓い清める

2月の節分の日には、豆をまいて鬼を追い払う行事が全国各地で行なわれます。スーパーなどでも福枡にはいった豆を販売しているため、自宅で豆まきをするという方も多いのではないでしょうか。

そもそも節分とは季節の変わり目にあたる二十四節気の立春・立夏・立秋・立冬の前日のことを意味します。つまり2月に限ったものではないのです。

それでは、なぜ2月の節分がクローズアップされるのか。それは、旧暦では立春が正月節にあたるためです。そこで古来、立春の前日がとくに重要視され、この日にそれまでの災厄を祓い清め、清らかな身体で立春を迎えようとする行事が営まれてきたのです。

節分の起源は奈良時代にあり!

節分の行事は、奈良時代に中国から伝来した「大儺たいな」と呼ばれる行事が起源だといわれています。

大儺とは、方相氏(鬼神)のお面を顔につけた儺人と呼ばれる役職の人が桃の弓や葦の矢などの武具を手にして「鬼やらう」と大声を挙げ、疫病をもたらすと考えられていた目には見えない鬼を追い払うという儀式です。

その後、方相氏のお面が異様な形相をしていたことから、いつしか儺人こそが鬼として追われるようになり、名称も「大儺」から「追儺」へと変化していきました。

この宮中行事が民間に広まり、室町時代頃から「鬼は外、福は内」と言いながら豆をまき、鬼を追い払うという現在に近い形の行事となりました。

各地ではどのような節分行事が営まれている?

一口に節分行事といっても、地域によって形態は異なります。ここでは、各地の神社で営まれている主な節分行事をご紹介します。

長田神社(兵庫県神戸市)

出典:https://www.feel-kobe.jp/event/10864/

長田神社で営まれる節分行事は室町時代から続く神事で、「長田神社古式追儺式」として県指定重要無形民俗文化財にも指定されています。

神の使いである7体の鬼が松明や斧、太刀、槌などを持って演舞を行ない、最後は斧で餅を割るという内容です。これには「災いを焼き尽くして凶事を断つ」という意味があるといいます。

参拝者は、鬼が持つ松明の灰をかぶることで「祓」を受けます。神事後は燃え残った松明を持ち帰り、家の入口に吊るして除災招福を祈願。そして家族で餅花を食べて、1年間の無病息災や家内安全などを祈願します。

五條天神社(東京都台東区)

出典:https://t-navi.city.taito.lg.jp/spot/tabid90.html?pdid1=205

五條天神社では節分の日に「うけらの神事」が行なわれます。

神職が祝詞を奏上したのち、方相氏が四方に向かって弓を放つ所作をし、次に宮司が鏑矢を放つ所作をします。その後、病鬼が登場。氏子の年番総代が斎主として病鬼と問答し、神威に恐れをなした病鬼は退散。最後に豆まきをします。なお、豆をまくときは「福を内」とは言わず、「鬼は外」だけを唱えるという特徴があります。

なお、うけらとはキク科の草のことです。儀式の最中はうけらを焚いて邪気を祓うことからその名で呼ばれるというわけです。

悪鬼を追い払い、新春を迎える儀式です。平安時代の古式にしたがい、節分祭、蟇目式(ひきめしき)、病鬼との問答、豆まきの順に神事を行います。儀式の間中「うけら」を焚き続け邪気を祓います。この「うけら」とは、若芽が食用になるキク科の草をいいます。

五條天神社では、節分の日限定で「うけら餅」を頒布しています。中には餅とうけらが入っており、節分翌日の立春の日にうけらを焚き、餅を焼いて食べると1年間無常息災で過ごせるといいます。

吉田神社(京都府京都市)

出典:http://www.yoshidajinja.com/setubunsai.htm

吉田神社の追儺式は室町時代以来の歴史を誇る神事。

境内で暴れる赤・青・黄鬼(災厄の象徴)を方相氏が追い詰め、そこへ年男が務める殿上人らが桃の弓で葦の矢を放って追い払うという行事です。平安時代の宮中行事を古式にのっとって継承したもので、古き伝統をいまに伝える貴重な神事となっています。

そもそも豆をまくのはなぜ?

節分の行事に欠かせないアイテムといえば、やはり豆です。いったいどうして豆をまくのでしょうか。

もともと古代中国では、大豆には邪気を祓う力があると信仰されていました。その風習が伝わり、日本でも大豆は呪力を持つ食べ物であると考えられたのだといいます。

節分の行事後、自分の年齢の数だけ豆を食べたり、豆を入れた福茶を飲んで1年の無事を祈ったりする風習も、豆の持つ霊力にあやかったものなのでしょう。

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