創建年代は不明
15~19世紀にかけて繁栄した琉球王国は、東シナ海に位置する地理的優位性を生かして貿易国として発展。独自の文化を形成しました。
時はさかのぼり12世紀頃のこと。沖縄の島々では按司と呼ばれる支配層が各地にグスク(首長の城)を築いて対立しました。グスクは軍事拠点というよりも、宗教施設としての役割が大きかったといわれます。
その後、1429年に尚巴志が琉球を統一。琉球王国が成立すると、各地の按司たちは都である首里に移り住み、グスクは廃城となりました。
こうして首里城が唯一のグスクとして政治や外交、そして祭祀の拠点となったのでした。
なお、首里城の創建については明らかではありません。尚巴志の時代に築かれたと伝わり、その後、16世紀の尚清の時代に現在の城域となりました。
中国と日本の影響を受けた独特の建築様式
首里城は、東西約400m、南北約270m、面積約11万㎡の規模を誇ります。
城の入り口には中山門と守礼門が建ち、その奥の歓会門が正門です。
内郭には正殿や北殿、南殿、番所などが置かれ、中央広場である御庭は中国皇帝の使節を歓待する外交儀礼の場として用いられました。
そんな首里城の特徴は、建物に中国と日本、両国の影響が見られる点にあります。
正殿の柱に施された雲龍紋などいたる所に見られる龍の装飾は中国皇帝の象徴、一方、屋根の唐破風の建築様式は日本の影響を受けてのものです。
地理的に中国と日本に挟まれた琉球王国にとって、国の独立を保つためには両国と良好な関係を維持する必要がありました。
首里城からは、そうした政治的立場に置かれていた琉球王国の姿が浮かび上がってきます。
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