戦場における目印
戦国の合戦では、武具以外にもさまざまな小道具が用いられました。
例えば、旗や馬印は戦場における目印として使用されました。旗の目的は、敵と味方の識別にあります。一方で、上杉謙信が用いた「毘」のように、神仏の加護を仰ぐ目的でも使用されています。
馬印は、総大将などの居場所を示したものです。大将の馬のそばに立っている従者が持っていたことから、その名で呼ばれるようになりました。
また、指物が自己顕示の道具として用いられました。指物は、武将が背中に差した小ぶりの旗のことです。「織田方羽柴家部隊」といったように、戦場における各武将の役割、戦場で手柄を立てた際の目印としての役割を果たしました。
軍を動かす際に用いた采配と軍配
采配と軍配は、大将が軍を動かす際に用いた小道具です。
采配は短冊状に切り裂いた布や紙を棒の先につけたもの。物頭以上の役職の者が持っていたといい、合戦時にはこれを振って進軍の合図としていました。
軍配も、出撃や撤退などの指揮に用いられていた小道具です。一方で、鉄や革などで作られていたことから、敵の攻撃を食い止める防具としても使用されました。
例えば川中島の戦いにおいて、武田信玄は自身に切りかかってくる上杉謙信の攻撃を軍配で受け止めたと伝わります。
戦国時代をより楽しむための参考書籍
『戦国武将の解剖図鑑』本郷和人監修(エクスナレッジ)

戦時の兜・鎧・武器から平時の服装、茶器などの持ち物、城、人生を賭けた合戦までを完全図解!
『戦国の合戦と戦い方の絵事典』小和田哲男監修(成美堂出版)

本書は、地図やイラストによって戦国合戦の実像を深堀りし、主な合戦の情景を再現イラストとして掲載。さらに、準備過程、陣形や行軍の様子、合図となった鐘・太鼓・法螺貝などの使い方、首実検の模様に至るまで絵で解説。謀略、政策、兵站、多角的に戦国の戦を紹介。
『図解 武器と甲冑』樋口隆晴、渡辺信吾(ワン・パブリッシング)

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