絵馬とは?神社に奉納される絵馬の歴史をわかりやすく解説!

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神事
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生きた馬から馬の形代へ

 神社へお参りに行くと、木製の板に願い事を書いた絵馬が奉納された様子を見ることができます。とくに受験シーズンには合格祈願の絵馬がズラリ。季節の風物詩にもなっています。

 じつは昔は、木の板ではなく、本物の生きた馬を神に奉納していました。古来、馬は神の乗り物として神聖視されていたためです。そこで祭祀や祈願の際には馬を奉納して神の降臨を願ったのです。

 たとえば干ばつ時の雨乞いには黒い馬を、長雨時の晴天乞いのときには白い馬を奉納しました。奈良県の丹生川上神社には、天平宝字7年(763)から仁和3年(887)までの間に黒い馬が21頭、白い馬が19頭奉納されたといいます。

 京都にある貴船神社にも、平安時代、天皇がたびたび勅使を派遣して馬を奉納し、雨乞い・晴天乞いの祈願を行なったと伝わります。

 ですが、祭祀のたびに生きた馬を奉納するのはなかなか大変なことでした。そこでいつしか木や土でつくった馬の像を代わりに奉納するようになり、やがて木の板に馬の絵を描いて奉納するようになったのでした。

 奈良時代の遺跡から絵馬が見つかっており、すでにこの頃には絵馬を奉納する習慣があったと考えられています。

馬が描かれていなくても「絵馬」

 現在のように、様々な図像が見られるようになったのは鎌倉時代以降のことだとされます。

 絵馬に神の姿や持ち物、眷属(神の使い)などが描かれるようになり、一般の民衆にも絵馬を奉納する習慣が広まりました。

 安土・桃山時代には、絢爛豪華な文化の影響を受け、狩野派の画家などが描いた絵馬が流行したようです。

 江戸時代になると、絵馬が小型化。現代に近い形となりました。絵馬に託された願いは縁結びや商売繁盛、学業成就などなど……。市井に生きる人々の願望が反映されたものが多いのは、現代にも通じるものがありますね。

 最後に絵馬の書き方について触れておきます。

 絵馬には、自分の達成したい目標を具体的に書くのが大切です。神に対して目標を宣言し、それを見守ってくれるように祈願するのです。また住所、氏名、年齢を記入するのも忘れずに。

 一番大切なことは、お礼参りに行くことです。目標を達成することができても、そうでなくても事の結果を報告にいきましょう。これを「願ほどき」といいます。

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